予選:14番手 決勝:10位

FIM EWC 世界耐久ロードレース: Suzuka 8 hours(SUZUKA)2023年の鈴鹿8耐が8月6日(日)に行われた。今年も8月の第一週の開催となり、厳しい暑さに見舞われた。裕紀は、昨年に続きTeam ATJよりエントリー。盟友・小山知良選手と昨年、直前にコロナ陽性となり参加できなかった岩田悟選手とトリオを組んだ。この体制は早い段階で決まっており、全日本JSB1000クラスを戦っている岩田選手のマシンをベースに耐久車両のセットを進めていくことになっていた。

FIM EWC 世界耐久ロードレース: Suzuka 8 hours(SUZUKA)6月のテストで裕紀は今シーズン初めてTeam ATJの車両を走らせるが、足回りのセッティングに関しては岩田選手と小山選手に任せて、ブリヂストンタイヤとマシンに慣れることに集中していた。今年、裕紀にとって大きかったのは、クロスミッションが使えないことだった。EWC世界耐久選手権は今年からミッションを登録しなければならず、キット車両勢はスタンダードミッションを使わざるを得なかった。岩田選手はもともと高回転を使う走り方だが、裕紀はそうではないため予想以上に苦戦することになる。

FIM EWC 世界耐久ロードレース: Suzuka 8 hours(SUZUKA)レースウイークは水曜日のテストセッションからスタート。昨年より1日少ないが、走行時間は多い。マシンセットや燃費などの確認を行っていくが、マイナートラブルも出てしまい予定通りにテスト項目をこなすことができないまま初日を終えていた。

FIM EWC 世界耐久ロードレース: Suzuka 8 hours(SUZUKA)木曜日の公式車検をはさみ、金曜日は2本のフリー走行後に公式予選1回目が行われた。ライダーイエローの裕紀は、岩田選手に続き2番手に登場。セッション開始直後にタイムアタックに入り、計測1周目に2分09秒988を記録、さらにタイムアップをしていくが、赤旗が提示されてしまいセッションは中断されてしまう。もう一度走ることも考えたが、土曜日の公式予選2回目は午前中のため条件がよくなることを見越してタイヤをセーブすることにした。

FIM EWC 世界耐久ロードレース: Suzuka 8 hours(SUZUKA)予選2回目では、まず2分09秒497とタイムを更新するもマイナートラブルが発生してしまい、これ以上タイムアップすることができなかったが、チームメイトの2人が2分08秒台をマークしており、14番手で予選を終えていた。

FIM EWC 世界耐久ロードレース: Suzuka 8 hours(SUZUKA)決勝日は、前日の雨予報とは打って変わり青空が広がり、鈴鹿8耐らしい厳しい暑さの中でレースはスタート。まずは岩田選手がスタートライダーを務め、着実に周回を重ねていく。裕紀は岩田選手にかわり2番手で出ていく。7回ピットを選んだこともありパワーを抑えた燃費マップ。ラップタイムの遅いライダーをかわすのが難しく、さらに裕紀にとってはミッションの問題もあり、神経を研ぎ澄ませながらコーナーをクリアしていく。裕紀から代わった小山選手も好アベレージで周回。チームもピット作業をミスなくこなしライダーをバックアップする。

FIM EWC 世界耐久ロードレース: Suzuka 8 hours(SUZUKA)5時間が経過した頃、西ストレートで接触、転倒があり、セーフティカーが導入される。これで燃費的には余裕が生まれることになる。残り1時間15分で雨が降って来た際、岩田選手がピットイン。レインタイヤに交換するが、雨はすぐに止んでしまう。このため予定より少し早くピットに入れ、裕紀が最後の1時間を走ることになっていた。夕闇迫る中、安定した走りを見せる裕紀。残り10分で前を走っていたヨシムラがピットインしたため、12番手から11番手に浮上。そのままチェッカーフラッグを受け11位となっていたが、月曜日の事後車検で上位チームに失格があっため一つ繰り上がり正式結果は10位となった。

FIM EWC 世界耐久ロードレース: Suzuka 8 hours(SUZUKA)高橋裕紀「やっと岩田選手と一緒に鈴鹿8耐ができたことは、よかったですね。岩田選手は一発タイムを持っていますし、小山選手も器用なので、自分がペースをもっと上げることができればよかったのですが、どうしてもSTDミッションだと、いつもとギアが違うので、うまく合わせきれなかったことが悔しいですね。今回もTeam ATJ、スポンサー、ファンの皆様の応援が糧になりました。ライダーやスタッフのケアをしてくださったみどりクリックSHLの皆様にも感謝いたします。ありがとうございました」