予選;10番手 決勝:3位
全日本ロードレース選手権は、いよいよシーズン終盤を迎えた。ここまで裕紀は、表彰台に立つこともできず苦しいレースが続いていた。ライバルとの差を詰め、表彰台、そして優勝を実現するために、チームと共にマシンセットを進めて来た。前週に行われた事前テストから、その歩みは遅かったが、1発タイム、アベレージと上がって来ていたが周りもタイムアップしてきていた。
レースウイークに入っても、その差を縮めることができず、土曜日の公式予選は10番手と今シーズンワーストのポジションとなっていた。それでも自己ベストは更新できており、決して悪い状態ではなかったため、決勝での巻き返しを狙っていた。
レースは18周で争われた。スタートは悪くなかったが、周りも速くオープニングラップは9番手で終え、前にはチームメイトの高橋巧選手がいた。高橋巧選手は前田恵助選手、豊島怜選手のヤマハ勢を3周目にかわしていくが、裕紀はなかなか前に出ることができない。6周目にようやく前に出ることができたが高橋巧選手には、差をつけられてしまっていた。
そこから追いつこうとプッシュしていくが、ほとんど同じタイムで周回を重ねていた。レースも折り返しを過ぎた12周目に、トップと2番手を走っていたライダーが転倒し、ポジションを2つ上げ5番手に浮上。さらに、最終ラップにもトップ争いをしていた2台が接触転倒。裕紀は3番手に浮上すると、そのままチェッカーフラッグを受け3位表彰台を獲得することになる。
高橋裕紀「前回のオートポリスのような大きな変更はせずに、今回の岡山ラウンドは、事前テストから少しずつセットアップをしていったのですが、よくも悪くもない状態が続きつつも、着実に前進していました。実際に自己ベスト付近で走ることができていましたが、周りのペースアップについていけずに苦しいレースになっていました。表彰台は本当に運がよかっただけですね。レース前にご挨拶に伺った日本郵便中国支社の皆様がサーキットにも駆けつけてくれていたので、応援してくださっている皆様の前で表彰台に上がることができたのは、よかったです。次戦の鈴鹿では、自力で表彰台に立って、もっと喜んでシーズンを締めくくりたいですね」