全日本ロードレース選手権ST1000クラスを戦う裕紀にとって、第6戦オートポリスは約3カ月振りのレースとなる。その間は鈴鹿8耐にTeam ATJから参戦していたが、久しぶりの本業となっていた。第6戦のST1000クラスは2レース制となっており、シーズンの中でも重要なラウンドとなるだけにここで巻き返していきたいところだ。
しかし前週に行われた事前合同テストでは、久しぶりのST1000仕様Honda CBR1000RR-Rからはいいフィーリングが得られないでいた。いろいろ試行錯誤してみたものの、走り始めの3、4周目に記録されたタイムを上回ることができずにテストを終える。
テストのデータを見直し、チームと考えたセットからレースウイークはスタート。1本目はドライコンディションで走ることができたが、2本目は中途半端な雨となってしまい走ることができずセットを進めることができなかった。初日を終えた時点でミーティングを行い、事前テストのセットに戻すことを決めるが、土曜日は、もう公式予選とレース1がある。予選からセッティングを再開しつつ、タイムアタックをしなければならなかった。
フィーリングはよくなってきたものの、タイムを出すにはセットを詰めることができていなかったこともあり1分51秒582で9番手と、辛うじて3列目につけた。レース2のグリッドを決めるセカンドラップタイムでは、1分51秒590で5番手と、まずまずのポジションを得ていた。
土曜日に12周で争われたレース1。裕紀は好スタートを見せ6番手にポジションアップ。オープニングラップの混戦をしのぐと3周目に一つポジションを落としてしまう。6周目に一つポジションを上げ6番手に戻すと、マシンの状態を確認しながらペースを上げていく。単独走行となった裕紀は、そのまま6位でゴール。
レース1を終えると、マシンの状態を伝え、レース2に向けて大きくセットを変更。日曜日朝のウォームアップ走行で確認し、さらにアジャストしてグリッドに向かった。2列目から好スタートを切った裕紀は、3番手で1コーナーに入っていき、前をいく渡辺選手を追っていく。しかし後半セクションで國峰選手にかわされオープニングラップは4番手で戻ってくる。2周目には第2ヘアピンで榎戸選手にパスされてしまい5番手とポジションを下げると、単独走行となっていく。
レース終盤に入ると榎戸選手との差をジリジリ詰めていく。さらに残り3周を切ったところでトップを走っていた選手が転倒したため4番手に浮上。榎戸選手を追っていくが、そのまま4位でチェッカーフラッグを受けた。
高橋裕紀「事前テストから、なかなかいいフィーリングを得ることができず苦戦していましたが、レースウイークに入ってからは、チームのおかげで走る度に少しずつよくなってきていました。それでもトップ争いに加われるレベルまではいくことができませんでした。次戦の岡山は、事前テストからいい流れを作って、いいレースができるようにしたいと思っています。今回もたくさんの応援ありがとうございました」