Moto2クラス初優勝を飾った第7戦カタルニアから2週間、第8戦ドイツを迎えた。例年なら前半戦最後と言えるラウンドとなるが、今年はインターバルが短く、3週間後にはチェコラウンドが待っている。ザクセンリンクは4年前に250ccクラスで優勝を飾ったコース。前戦の優勝でチームも士気が高く、前回使わなかったフレームをモディファイしたものを持ち込んだ。
しかし、そのフレームが誤算だった。徐々にタイムを縮めていくがセッション終盤に1コーナーへのブレーキングで転倒。右手の甲、左手の薬指と小指、そして首を痛めてしまう。なぜ転倒したのか分からない状況だったため、急遽、前戦で使用したフレームに戻して公式予選に臨むことを選択した。
土曜から降り出しに戻ってしまった裕紀は、徐々にリズムをつかみ、予選の最後のアタックでは、ベストタイムを示す赤マークを前半セクションで記録していたが、後半セクションで失速してしまい順位を上げることができない。予選は13番手、4列目からスタートすることになる。
決勝日の朝は雨に見舞われる。Moto2クラスはハーフウエットとなったが、ここで裕紀は4番手タイムをマーク。決勝もコンディション次第では、すぐに前に出て行けそうな手応えがあったのだが…。
Moto2クラスの決勝レースを迎えるころには、ほとんど路面は乾いており、ドライコンディションでレースはスタートした。
またも1コーナーで多重クラッシュが発生。裕紀は、やや出遅れるものの巻き込まれることなくクリア。オープニングラップを慎重にこなしながらも、順位を上げようとスキをうかがっていく。しかし、迎えた2周目のバックストレートから左高速コーナーの進入で、抜こうとしたライダーのインに入り完全に並ぶものの、強引にかぶされてしまう。“接触する!”と思った瞬間、間一髪で避けるものの、曲がれる角度ではなく、仕方なくマシンを曲げるものの濡れていたのか、砂が浮いていたのか、フロントから転倒せざるを得なかった…。大きなケガがなかったことが不幸中の幸いとなった。
この後、裕紀は日本に帰国し鈴鹿に向かう。
高橋裕紀「初日のつまずきはありましたが、土曜日からは、いいリズムをつかみかけていました。トップだけが抜けていましたし、2番手以下とは、差が少なかったので十分レースができると思っていました。レース序盤の問題は相変わらずで、一度、接触もあって遅れてしまいました。Moto2クラスはコンスタントに成績を残すのが難しいですが、チームと力を合わせて2勝目を狙っていきたいです」