アイスランド火山噴火の影響で日本グランプリが延期となり、思いがけない時間ができた裕紀は、原点でもある桶川スポーツランドを気の合う仲間と走り、スペインGPに備えた。
そのスペインGPも開催が危ぶまれたが、ほぼ通常のフライトスケジュールに戻ったこともあり、裕紀は当初の予定通りのフライトでスペイン・ヘレスに入った。
レースウイークを通じて快晴に恵まれたヘレスは、夏を感じさせる暑さとなった。金曜日の走り始めから、着実にマシンをセットアップしていく。初日のフリープラクティス1は4番手につけ、土曜日もフリープラクティス2でタイムを縮め、迎えた公式予選。40分のセッションで最後の最後にベストタイムを出し、4番手で終了。トップとの差は、僅かに0.039秒だった。
今年も大観衆を集めたスペイン・ヘレスサーキット。予選20番手までがトップから1秒以内にひしめく激戦となっていただけに、決勝でも混戦が予想されていた。その予想通りとなったが、いきなり2周目に多重クラッシュが発生。裕紀は難を逃れ、2度目のスタートに向けて気持ちを切り替える。
2度目のスタートは、まずまず決まりオープニングラップは4番手で戻ってくる。2周目には3番手に上がり、トップグループで周りの動向をうかがう。しかし、この混戦の中で、現在抱えている課題が浮き彫りになってくる。苦しい中でも、最善を尽くそうとトップグループにつけポジションをキープする裕紀。最終ラップに入ってもトップは見えているが、仕掛けたくても仕掛けられない状態だった。ここで無理をしては前回の二の舞になってしまう。今のマシンの状況を考え、着実に4位でゴールラインをくぐることを選んだのだった。
高橋裕紀「単独走行だとタイムを出せますし、タイヤのライフも悪くない。ただ、レースで自分のラインで走っているとインに入られてしまうし、なかなか前にいけない。前回は、そこで無理をしてしまったために転倒してしまった。チームからも必ず完走して欲しいと言われていましたし、自分もそう思っていました。次回は、チームのホームグランプリになりますが、今回のレースで自分たちのマシンが抱えている課題がハッキリしましたし、データを元に、マシンを改良していきたいです。ル・マンでいい成績を残せれば、相当マシンが仕上がってきたという証になります。期待していてください」