今シーズン最高の暑さとなった第6戦カタルニアは、裕紀にとって難しいレースとなった。走行の3時間前にガボール・タルマクシのチーム加入が伝えられ、裕紀のTカーをタルマクシが使うことになってしまったからだ。
様々な憶測、うわさが飛び交う中、裕紀は、ひたすらマシンのセットアップに集中した。ムジェロで抱えていた問題を解決するために、フロントのセッティングを変更。これが功を奏し、好感触を得た裕紀は、これまでの最高位である初日9番手につけた。当面の目標であるシングルフィニッシュを実現に向け、幸先のよいレースウイークインとなっていた。
土曜日のフリー走行ではフロントブレーキのレバーが入りすぎてしまったためにバックストレートエンドでコースアウトし、転倒するアクシデントがあったが、感触は悪くなかっただけに、気合いを入れて予選に臨んだ。午後の公式予選になると気温が上がり、タイヤのグリップに影響を及ぼす。コンディションに合わせながら、セッション終盤にタイムアタックに入ると、うまくダニ・ペドロサの後ろにつける。自己ベストを更新する青マークをつけながら、アタックは続くが、最終セクションでリアが振られてしまいタイムロス。しかし、このタイムがベストとなり16番手という結果に終わる。データロガーで確認すると、このロスだけで0.4秒は遅れており、ミスがなければ5、6番手のタイムを出せていただけに、悔いの残る予選となった。
決勝朝のウォームアップで好感触を得た裕紀は9番手タイムをマーク。マシンも決まり、あとはレースを迎えるだけだった。6列目から好スタートを切った裕紀は、前半セクションでアレックス・デ・アンジェリスと接触しながらも順位を上げ、8コーナーへのブレーキングポイントへさしかかるが、前をゆくクリス・バーミューレンのブレーキングが速く、これを避けようとするが接触! バーミューレンのリアに裕紀のブレーキレバーがあたってしまい転倒を喫してしまう。この際、ブレーキレバーとマシンに右手の中指を挟まれてしまい骨折してしまったが、次回のレースまでには回復するという。
高橋裕紀「マシンのフィーリングもよかったので残念な結果でした。予選でのポジションがよければ、今回のようなこともなかったかもしれませんし、グリッドの意味を再確認しました。右手中指を骨折しましたが、次回のアッセンには問題ないと思いますし、イヤなうわさを吹き飛ばすためにも、いいレースをしたいと思います」