250ccクラスで初優勝を飾ったフランス・ル・マン。あれから3年の歳月が流れ、MotoGPライダーとして裕紀は、思い出の地にやってきた。今回からセッションの長さが昨年までと同じく1時間に戻った。1分1秒でも時間が欲しい裕紀にとって、これは歓迎すべきことだったが、それは周りも同じこと。短い時間で、いかにマシンをまとめるかによってポジションが決まってくる。
今回は、ヘレスのときに抱えていた問題を解消すべく、違うセッティングからスタート。しかし、これが結果的に悪い方向に行ってしまう。走り始めから、今ひとつのフィーリングで攻められない。低い気温と強風、しかもセッション中盤には雨も落ちてくる。セッションの時間は延びても満足に走ることができず、不完全燃焼の初日となっていた。
2回目のフリー走行でも感触はよくならず、予選ではヘレスのセッティングに戻して走ることに。すると一気に約3秒もタイムを縮めることに成功! しかし周りもタイムアップし、予選は15番手となる。
決勝朝のウォームアップはドライコンディションだったが、125ccクラスのレースを前にしてまたも雨が落ちてくる。125ccクラス、250ccクラスはウエットレースとなり、転倒者が続出し荒れた展開となった。その後雨は止んでいたが路面はウエット。ウエットレース宣言が掲げられ、レース中に雨が降り出しても中断はない。マシンを乗り換えることが可能な“フラッグ to フラッグ”ルールが適用される。
各ライダーはレインタイヤでスタート。やや出遅れた裕紀は最後尾から徐々に順位を上げていく。数周するとレコードラインは乾き始め、6周目を終えた時点で2番手を走っていたバレンティーノ・ロッシが真っ先にピットに入った。チームもこれを見て、裕紀にピットインのサインボードを出すが、ウエットの感触がよかった裕紀は自らの判断でピットに入るタイミングを伸ばす。一時は6番手まで上がるが、ピットに入りマシンを乗り換えると、思うようにペースを上げられないでいた。
レース終盤は4台での10位争いとなり、この集団の前でゴールしたかった裕紀は残り2周でヘイデンをかわすが、ブレーキングでミスをしてしまい、再びヘイデンに抜き返され、前の2台に離されてしまう。ラストラップでヘイデンの前に出たかったが、僅かに届かず13位でチェッカーフラッグを受けた。
高橋裕紀「ピットに入るタイミングがすごく難しいレースでした。ウエットコンディションでの感触は悪くなかったので、自分の判断でレインタイヤのまま周回を重ねたのですが、乗り換えてからが、また難しかったですね。初めての経験でしたし、タイヤをうまく使えていないので、ペースをうまく上げられませんでしたから。何事も経験ですが、今回は最初からヘレスのセッティングで走っていればと思うと悔しいレースでした。次回はイタリアなので頑張ります」